腹黒王子の取扱説明書
「次からは優先順位を考えてくれるかな?出来るよね?」

「…はい」

俺に反論したいのを我慢して、麗奈が感情のこもらない声で返事をする。

「それから、今日から早速残業をしてもらう」

「今日からですか?」

予想外だったのか麗奈はハッとした表情になり目を見開いた。

それもそのはず、俺は残業の事は彼女に伝えなかった。

「何かすでに予定が入っているなら調整してくれるかな?」

麗奈の顔を見てにっこり微笑む。

すると、彼女は憎々しげに俺の顔を見た。

きっとホステスのバイトをする気だったのだろう。

だが、麗奈に睨まれても俺は痛くも痒くもない。

これで、もう夜のバイトは出来ないはずだ。

昨日の夜のように、彼女が客に触れられるのを見てイライラすることはない。

「でも、残業って一体何を?」

「楽しみにしてるといい。仕事内容については須崎に確認して」

フッと微笑を浮かべると、麗奈は何か変に思ったのか訝しげな視線を向けてきた。
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