腹黒王子の取扱説明書
「金が必要なら俺が用意してもいい」

俺の言葉に顔色を変えますます逆上した麗奈は、我を忘れデスクに身を乗り出し俺の頬を平手打ちしようとした。

だが、俺はやすやすと彼女の手を掴んでそれを阻んだ。

「無駄だよ」

麗奈の瞳を捕らえながら冷たく言い放つ。

「私にだってプライドはあります!もう私の事は放って置いて!」

麗奈は俺の手を振り払い、飛び出すようにして部屋を出ていく。

「あ~あ、泣~かせた」

ずっと静観していた須崎が小学生のような口調で言い、やれやれといった風に大袈裟に首を振る。

確かに、彼女は泣いていた。

麗奈の目から涙が溢れ落ちてキラリと光り、彼女は俺から顔を隠すように逃げた。
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