腹黒王子の取扱説明書
「だから、あいつは誰も自分の近くに近づけなかった。爽やかに笑って拒絶してたんだよ。でも、君だけが何故か例外みたいでね」

「私が例外?」

特別みたいな言い方だけど……。

でも……あんな風に辛く当たられるのは嬉しくない。

それなら他の人と同じ扱いでいい。

「あいつが本当に笑うとこ見たくない?あいつは高校の時、バスケでインターハイ優勝した時もクールに笑ってるだけだった」

前田先生は白衣のポケットからスマホを取り出し何か操作すると、私にある写真を見せた。

そこに写っていたのは、どこかの男子バスケ部員。

よく見ると中央には賞状を持っている俊と、トロフィーを持っている前田先生の姿。

確かに前田先生は満面の笑みを浮かべているのに、俊は顔は笑ってても目が笑っていない。

高校の時も今と一緒だ。

飛び抜けて格好いいけど、どこか冷めたようなその視線。

勝って当然とでも言っているかのようだ。
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