腹黒王子の取扱説明書
「この馬鹿!」

麗奈を一喝し、押し入れを開けて毛布を出すと、彼女の身体をそれでくるんだ。

自分を痛め付けるような真似して何をやってるんだ。

……一人にすると何をしでかすか本当にわからないな。

「…何で優しくするの?私の事なんか放っておいて帰ればいいじゃない!」

麗奈が語気を荒げる。

ほんと、それが出来れば苦労しない。

「気になるから」

麗奈の瞳を見つめ、真摯な目で告げる。

それに、彼女が必死に助けを求めている気がした。

自分の勝手な解釈かもしれない。

「……こんな時に優しくするなんて……狡い」

麗奈の瞳が揺れる。

「そうだね。狡いのは認める」

フッと微笑し麗奈の目を見ながら頷くと、俺は彼女の身体を毛布の上からそっと抱き締めた。

冷えきった身体。
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