腹黒王子の取扱説明書
『私はまだ認めてませんよ』

「まだ」ね。時間の問題だな。

「帰ったら嫌って言う程抱き締めるから覚悟しておいてよ」

『そんなの嫌って言うに決まってるじゃないですか!』

「もう言わせないし、もう待たない」

『また勝手な事言って……狡い』

近くにいなくても麗奈の表情が手に取るようにわかる。

もし、俺が側にいたら、上目遣いに俺を見て言っていると思う。

「そうやって俺の事だけ考えて眠ればいい。悪夢も見ずに眠れる」

『嘘ばっかり』

「嘘じゃないよ。麗奈?」

電話の向こうにいる麗奈に優しく呼びかける。

『はい?』

「好きだよ」

麗奈にちゃんと伝わるように自分の想いを込めて囁く。

「好き」と言う言葉自体、俺の記憶では彼女以外の人間に言った事はない。
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