腹黒王子の取扱説明書
「はは、若いって良いね。この分だと来年には孫が出来るかな」

「良いね。私も是非抱かせて欲しいね」

社長と園田さんが顔を見合わせて笑う。

待って、まだ婚約も結婚もしてないのにどうして孫の話になるの!

「早く孫が欲しいなら二人きりにさせて頂けると有り難いのですが」

俊がいつもの作り笑いをする。

親にまで作り笑いしなくてもいいのに……じゃなかった‼

駄目!二人きりにしないで!

さっきまでの空気を思い出す。

もし、社長達が現れなければ、私……絶対流されてた。

私……俊が好きだと自覚はしたけど、そこまで心の準備出来てないよ。

二人きりになったら、絶対家に帰してもらえない。

「まだ良いじゃないですか。ゆっくり……」

私の声は虚しく社長の声にかき消される。

「ああ、そうだな。麗奈ちゃん、息子の事、宜しく頼むよ」

社長が園田さんと笑いながら部屋を出ていく。
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