腹黒王子の取扱説明書
俊は一度袖を通したら、必ずクリーニングに出す。

……なんか私……ほんとに嫁みたい。

俊の性格や嗜好、生活週間がだいぶわかってきた。

完璧人間に見えるけど、俊は鶏肉が嫌いだ。

理由を聞いたら、ある日学校給食で出された鶏の唐揚げにまだ羽が残っていて鳥がと殺されるのをリアルに想像してしまってそれ以来食べられなくなったとか。

優しいんだよね。

その話を聞いた時、小さい頃の俊に会いたかったなって思った。

きっと頭も良くて、顔も整ってて女の子にモテモテだっただろう。

でも、子供なのに大人の顔色をいつもうかがっていたんじゃないだろうか。

もう捨てられたくなくて……大人の前ではいい子を演じて……。

母親に捨てられた……その心の傷はひょっとしたらまだ癒えてないのかもしれない。

だとしたら、どうしたら癒してあげられるのかな?

私に出来る?

リビングに戻ると、ソファーに腰かけて俊を待った。
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