腹黒王子の取扱説明書
さっきの俊は冗談も口にしなかったけど……彼もそれだけ余裕がなかったという事だろうか。

ちょっと俊らしくなかった。

「今……勝手に帰ったら絶対怒るよね?」

俊が本気で怒ったら、ニコニコ笑いながら私の部屋の解約手続き勝手にしそう。

……怖い。

「それ良いね」

物思いに耽っていると、突然俊の声がした。

え?

何が良いの?

俊の登場に驚いていると、彼がタオルで頭をガシガシかきながらフッと微笑した。

こういう男っぽい仕草。

弟がやってるの見てて慣れてるはずなのに、妙に色気があるというか……。

思わず見惚れてしまう。

「思考がだだ漏れだったよ。麗奈の部屋の解約……いい案だよね」

嘘……。声に出してた?
< 282 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop