腹黒王子の取扱説明書
情熱的な夜から二日後の朝のこと、俊が朝食を食べ終わると、テーブルの上にある書類を置いた。

テレビドラマでよく見かけるやつだ。

「これは何ですか?」

「知らないの?婚姻届」

にっこり笑いながら俊が答える。

この男は……。

私が何を聞きたいのか知っててこんな事言うんだから質が悪い。

「そういう意味じゃなくて、何でここにあるんですか?」

バンっと書類を叩いて、キッと俊を睨み付ける。

しかも、妻の欄以外は全部記入済み。

夫の欄は俊の名前で、証人欄には社長と海里の名前が書いてある。

いつの間にこんなの用意したの?

しかも、海里の署名まで……。

俊が急に私の手を両手で包み、真剣な表情で告げる。

「お父さんの喪がまだ開けてないけど、結婚しよう」

私を真っ直ぐ見つめるその瞳に揺らぎはない。
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