腹黒王子の取扱説明書
それは小さなブリリアントカットのダイヤが入ったプラチナのバンドリング。

シンプルだけど品があって、ずっとつけていられるような……。

婚約指輪って言うよりは結婚指輪に近い。

でも、ごてごてしたのは嫌いだし、これは私の好みだ。

先輩が私の左手をつかんで、その指輪をはめる。

サイズはぴったりだった。

驚いて先輩の顔を見ると、先輩は得意気に笑った。

「これは男避け。いろいろと準備したんだよ。リサーチは万全」

「あっ……」

……そう言えば、数日前に麗奈と指輪の話で盛り上がったっけ。その時に好みやサイズも聞かれた……あれは誘導尋問だったか。

やられた。

「忙しくても毎日必ず電話する。だから俺を信じて待ってろ」

「三年も私なしで我慢出来るんですか?」

私はクスッと笑って椅子から立ち上がり、先輩に近づいてキスをした。

彼も椅子から立ち上がり、熱く応えながら私を抱き締める。
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