腹黒王子の取扱説明書
……それにしても、いつの間にパジャマに私着替えたの?

今度こそ専務が犯人だよね。

ううん、待って。

専務の手を止めるのが先だ。

「待って下さい。私、自分で出来ます」

私は専務の手を掴む。

だが、彼の手は止まらなかった。

「恥ずかしいなら目を閉じてれば?」

「異性に見られたくありません」

彼は医者でもなければ、恋人でもない。

親友の兄で、うちの会社の重役。

それだけだ。

「そう?でも、俺は気にしないし、楽にしてて。君の下着姿見るのは初めてじゃないし」

専務が面白そうに私を見る。

私は気にするんです!

こんな状況で楽に出来るわけがない。

「だから……専務」
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