腹黒王子の取扱説明書
「その専務って言うの止めにしない?家にいるのにくつろげない」

「じゃあ、長谷部さん……手を止めて下さい」

「うちの会社、長谷部って三人いるんだよね。俊でいいよ」

……呼べるわけがない。

彼は何のゲームがしたいのだろう。

完全に話をすり替えてる。

「抵抗すれば疲れるだけだよ。目をつぶって、大人しくしてて」

専務は私のパジャマを脱がすと、濡れたタオルで私の身体の汗を丁寧に拭う。

それから、彼は新しいパジャマに着替えるのを手伝った。

恥ずかしくてまたどっと汗が出そう。

この拷問のような状況、何とかならないの!

ぎゅっと目をつぶって耐えていると、彼が面白そうにクスクス笑った。

「ホントに男性経験ないんだ?」

「専務には関係ないでしょう!」

私は声を荒げた。
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