腹黒王子の取扱説明書
彼がよくわからない。

あのパジャマ……彼が洗濯するつもりだろうか。

五分後に俊はリンゴと水と薬をトレイに乗せて持ってきた。

きれいに剥かれたリンゴを見て思わず感心したように呟く。

「……リンゴ剥けるんだ」

「一人暮らしだから、簡単な調理くらいなら出来るよ。意外だった?」

「ずっと外食かと思ってました」

「前に言ったけど、ずっとフレンチとか食べてるわけじゃない。鯵の干物だって、納豆だって普通に食べるよ。ほら、俺の事はいいから、食べて」

「はい、頂きます」

手を合わせると、私はフォークをつかんでリンゴを口に運んだ。

でも、納豆食べてる俊なんて想像できない気がする。

そう思うとこんな状況なのに笑みが溢れた。

「何がそんなにおかしいの?」

「せ…俊と納豆って合わないと思って」

「そんなに意外なら、今度目の前で食べて見せるよ」

俊がニヤリとする。
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