腹黒王子の取扱説明書
「自分の事を知らないって罪だよね?」

「は?何の話ですか?」

「いいや、こっちの話。この薬、飲んで。明日熱が下がっても、会社は休む事」

「あの……専務の……俊のパソコンお借りしたいんですけど……」

私は俊のノートパソコンに目をやり、恐る恐るお願いしてみる。

「どうして?」

俊が片眉を上げる。

「今日中に処理しなきゃいけない仕事が残ってて」

俊を正視できなくて、うつ向いたまま答える。

「そう。貸してあげてもいいけど、俺も横で見てるから」

……なんだか彼の纏っている空気がピリピリしているような気がする。

「……はい」

俊の前ではやりたくなかったけど、他の社員が困る事になるから仕方がない。

俊のノートパソコンを借りて千田部長のIDで社内システムに入る。
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