また、君を笑わせよう
一瞬怯んだ男の隙をつき、青年を抱えたまま問答無用で蹴り飛ばす。



かなりの勢いで男は吹き飛び、木に強く身体を打ち付けて気絶した。



「ふーすっきりした。おい、お前大丈夫か?」



蹴り飛ばした後、ずっと一言も発しなかった青年に尋ねた。



俺はまだ知らなかった。



助けた相手が、壬生狼と恐れられた新選組の八番組組長、



藤堂平助だということに。



この出逢いにより、俺の運命は狂い始めた。
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