俺の言い訳×アイツの言い分〜あの海で君と〜
「今度、あたしも、メールしていい?」

「…いいよ。」

「じゃあ、登録しておく。」

「あ、うん。」

「今日はありがとう。」

「でも俺、何も…」

「誕生日に、メル友が増えたもん。」

「…あのさぁ、俺って…」

「ん?」

「ん、なんでもない!じゃあな、おやすみ。」

「うん。おやすみなさい。」


電話を切った琴乃は、
ケータイを胸にあて、ベッドに飛び込むと、足をバタバタとさせた。


そして、亜希に電話をしては、
興奮して、何度も、同じ話しを繰り返し話していることに、
自分では気が付いていないようだった。


それから、数日後


メールする宣言をしたわりには、

どんな内容を送ったら良いのか悩む琴乃は、
まだ、一度もメールをできないでいた。


そんなある日、


『車から見かけたぞ』

駿祐からメールがきた。


『え?いつ?』

『さっき』

『塾帰りだ。そっちは泳いできたの?』

『ヘトヘト』

『お疲れ様。』

『塾は遠いの?』

『駅の方だよ』

『随分遅いんだな。俺、他の習いごとしたことないから』
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