ブラッディ ショコラ


気が付けば、1時間目はとうに終わり、2時間目もあと少しで終わる時間になっていた。

寝過ごした……。
ちょっとサボり過ぎてしまったようだ。
まぁ、たまにはいいか。
私は開き直って、午前の授業を全部休むことにした。


私がもう一度眠りにつこうと思ったとき、ちょうど2時間目終了のチャイムが鳴った。

廊下の方で、生徒達が集団でゾロゾロと歩く音や先生が摺り足気味にスタスタと歩く音がする。そして、その内の一つがこちらへ向かっている。

誰だろう?保健室の先生だろうか?

その足音は私の眠るベッドの方に近づいてきた。

不審に思っていると、ベッドのまわりのカーテンが少しだけ開いた。
そこから見知った顔が心配そうにこちらを見つめている。

「…先輩!」

それは、私の彼氏・カイト先輩だった。
先月、先輩からの告白で交際がスタートした。

「先輩なんでここに…?」

私の問いに先輩は、心配そうな顔のまま近づいてきて言った。

「サトミの友達から聞いたんだ。それで、心配で…。具合、大丈夫?」

先輩は優しい。いつも私を気遣ってくれる。今も、友達から私が保健室にいると聞き、飛んできてくれた姿が目に浮かぶ。

「あ、はい、大丈夫です。」

「そっか、良かった。」

先輩はホッとしたように微笑んだ。
そして、ベッドの端に座り、大きな手で私の頭を撫でた。

頭から離れた手は、行き場を失い、ちょっと空中で迷子になった後、そっと、私の手を包み込んだ。私はこの手が好きだ。少しゴツゴツしていて、頼もしい手。繋いでいるとホッとする。
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