無理矢理繋いだ赤い糸
皆に呼ばれて、部屋の端の僅かな段差の所から手招かれて、恥ずかしがる沙希の腰を抱いて俺は皆の前に立った。
おめでとう、乾杯、と皆に祝福を浴びる。
その後で俺は、ダチに向かってチラッと視線を向けた。
「誓いのキスをどうぞー」
絶妙なタイミングでソイツが声を上げて、俺に向かってニヤリと笑い掛けてくる。
俺は沙希からは見えないように、ダチに向かって身体の横で親指を立てて笑い返した。
昔嫌いだったはずの俺と、付き合っている事すら恥ずかしくて伝えられなかった沙希。
それが今、皆の前でキスをしなきゃいけないなんて、沙希にとっちゃどんだけ恥ずかしいんだろう、って思うと俺はゾクゾクしてくる。