first love
あたしに欲しいものなんてなかったはずなのに、
無駄に記念になるものばかりを買い込んだ。


ここでの思い出を忘れないように。










いつか翔があたしの隣からいなくなっても

思い出せるように。





アルバムも買った。

このアルバムに翔との沖縄での思い出をたくさん詰め込もう。








そんなあたしとは正反対で、翔は何も買ってなかった。





海の見えるレストランでランチしながら、翔は「今からどうしようか」と聞いた。


「まだ買い物したい?」

「んー……」

悩むあたしに翔は

「女ってお土産って絶対買うよな」

と笑った。


「だって、記念じゃん。
普段はあたしもあんまり買わないんだけど、
翔と沖縄なんて、これが最初で最後かもしれないし(笑)」


あたしは冗談っぽく言った。


「別に、いつでも来れるよ。」


そんな翔の言葉は聞き流して、
あたしは普段の少食ぶりからは考えられないほどたくさん食べた。


「初めての沖縄、どう?」


そう言う翔の方を見ると何やらケータイでムービーを回しているようだ。



「最高♡」

あたしはケータイに満面の笑みを向けた。



「明日で沖縄最後だけど?」

「帰りたくなーい」

「じゃあさ、

沖縄で一緒に暮らす?」

ムービー片手にそんな冗談を振る翔。


「うん、そーしよそーしよ」

適当な返事をするあたし。


「ねぇ、いつまでムービー回してんのー?(笑)」

「じゃあ約束な。
俺と美華が結婚したらここに住む!
忘れるなよ」



翔はそう言うとあたしが何か言う前にムービーを切った。







……結婚…。

現実味のないワード。







< 129 / 251 >

この作品をシェア

pagetop