first love
「もう翔に会わないでください」





思いがけない言葉を口にしていた。






余裕そうな笑みを浮かべていたマイさんから
笑顔が消えた。




「どうして?」


「どうしてって…」


「あたし、翔とは別に何もないし、ただ幼なじみだよ?
だから、心配しないで。
幼なじみの翔と後輩の美華ちゃんが結婚するなんて凄く嬉しい。
じゃあね。お疲れ様。」






マイさんは店を出ていった。






「…は?何あれ。
うっざ。」

マイさんが出てってすぐマナミがそう言った。




「幼なじみ?」

呆然とするあたしは呟いた。



「そんな話聞いたことねーけど…」

池田も俯く。



「二人して何暗くなってんだよ(笑)」


店長がシャンパンを飲み干す。

「お前今日は飲むんじゃなかったんかよ」


そう言って池田にグラスを差し出した。


「あーそうだった!!」
池田はすぐにグラスのシャンパンを一気に飲み干した。




「美華ももう気にしないでさ!
とりあえず今はパーっと騒ごうよ!
よし!あたし、アムロちゃん歌っちゃう〜!!」



店のカラオケに曲を入れマイクを持つ。


「俺も歌う〜!!」


「は?邪魔すんなしー!
池田とデュエットとか無理ー!」

早くも酔っ払ってる二人。



あたしは、心から楽しめないでいた。

「美華、あんま気にすんなよ。
マイも、もう分かってるよ。
マイにとっては翔なんて過去の男だろ?」


「…わかんない。」


「わかんないって…」



「…終わってないのかもしれない…」


「んなわけないだろ。
翔、結婚するって言ったんだろ?
本気なんだろ?
だからお前も結婚決めたんだろ?」


翔が本気なのは分かる。


でも、マイさんは?


「翔の中では終わっててもマイさんは終わってないのかも…」
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