first love
「もしもし、ごめん。
寝てた〜」


かけ直すと、翔の声から起こってるのが分かった。


『寝てたって、お前今どこ』

「店だけど」

『待ってろ』


そして電話は切れた。



あたしは散らばったグラスやボトルを片付けた。




飲みすぎた。

全然覚えてない。


マナミと池田どこいっちゃったんだろ。





「店長〜」


あたしは店長を起こした。


「…美華ぁ……」




そう言うとあたしを抱きしめた。



まだ酔いが覚めてないのか、寝ぼけてるのか…


「ねぇ、重いよ。
今ね、翔が迎えに来るから…」
「まだ、好きだよ」




「…へ…?」


もたれかかる店長。


聞き返す間も無く
聞こえてきたのは背後からの翔の声。



「美華、何やってんの」






息を切らしてる。



「なに、やってんだよ…」




あたしにもたれかかる店長を離し、
あたしの手を引っ張り店を出た。




「何やってたんだよ」


「何って、結婚報告して、みんながお祝いしてくれて…」

「みんな?
店長と2人だっただろ」

「違う、ほんとはさっきまで池田とマナミもい…」


「なに抱き合ってたの?」

「抱き合ってたっていうか、店長が酔ってたから…」

「お前言い訳ばっかだな」





あたしは翔の手を振り払った。



「翔、うざい」




何も知らない翔。

あたしだって言いたいことある。

嫉妬もする。

だけど、我慢してる。


「あたし、店戻る」

「は?」

「店戻るってば。」


あたしは来た道を引き返す。



「なんでだよ」

「店長が心配だからだよ!!!」
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