first love
目覚めたのはまた昼過ぎで、
今日はあたしが先に起きた。



隣で裸で気持ちよさそうに寝ている翔を見たら、昨日のことを思い出して恥ずかしくなった


…と言いたいところだが、寝ても覚めてもムカつくだけだった。







あたしはお風呂に浸かりながら、
何度も何度も昨日のことを思い出していた。







翔はなんのためにあたしに近づいてきたんだろう。

昨日も誕生日にわざわざ大金落として店に来てくれて。

さみしいから?
あたしが他の女と違ってあいつを好きにならないから?めんどくさくないから?


気まぐれ?暇つぶし?




そんなことを思いながら鼻まで湯船につかる。






「おはよー美華」


風呂場の戸が突然開き、
恥ずかしそうなそぶりを全く見せずに全裸で翔が入ってきた。




「な、なに!?」

「俺も入るー♪」


翔も湯船に入り、
お湯が溢れた。



あたしはあっけにとられてた。

やっぱり…つかめない。
このペース。



「何恥ずかしそうにしてんの?」

「別に!」

「どうせもう昨日全部見てんだから風呂くらいいーじゃん」

翔はそう言って顔を近づけてきた。

「やめてよ。
昨日は…「営業だった」

あたしをさえぎって、翔がそう言う。


「俺が客だったからだろ?」


「…うん」




違う。
本当は、「酔っ払ってたから」って言おうとしてた。

バカだ。
こんなんじゃあたし、普通の女。
翔にハマる女と大して変わらない。







翔はあたしの全てを知ってるかのようだ。



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