ファイブコンプレックス
小さなモールの中に、そのスタジオはある。楽器やら楽譜やら、そんなのがごちゃごちゃしている先に、予約制のルームがあった。昔と何一つ変わらない。美樹は深く息を吸った後、全てを吐いた。変わっていたのは、自分の中の期待と、どうしようもない苦しさだった。
そんな空気の中、二人は父のメンバーにちやほやもてはやされた。
いやー久しぶり、元気してた?しばらく来ないうちに大人になったねー。きれいだねー。まだバンドやってんの?ほら美菜ちゃん、久々にそこで聴かせてよ。ところで美樹ちゃん、この部分、どう思う?なんだ、みんな質問責めで、いい年して大人気ない。ハハハハハ、そりゃそうだ。何言ってるんだ、俺はまだ心は10代だ。バカなこと言うなよ。うちの娘に何する気だ。ほら、タカが怒っちゃっただろ。ハハハハハ、ハハハハハ……
そんな空気の中、二人は父のメンバーにちやほやもてはやされた。
いやー久しぶり、元気してた?しばらく来ないうちに大人になったねー。きれいだねー。まだバンドやってんの?ほら美菜ちゃん、久々にそこで聴かせてよ。ところで美樹ちゃん、この部分、どう思う?なんだ、みんな質問責めで、いい年して大人気ない。ハハハハハ、そりゃそうだ。何言ってるんだ、俺はまだ心は10代だ。バカなこと言うなよ。うちの娘に何する気だ。ほら、タカが怒っちゃっただろ。ハハハハハ、ハハハハハ……