彼女人形(ホラー)‐彼氏人形続編‐
「これで……終わりですか?」


一連の動作を見ていた俺は恐る恐る声をかける。


「あぁ。ほら、彼女の目を見てごらん」


国匡さんに言われ、俺は回り込んで薫子の目を見る。


黒かった薫子の目は茶色になっている。


「この目の色は更新された証拠として残るようになるんだけれど、大丈夫かな?」


「そうなんですか……わかりました」


結音の目は深い黒色をしているが、こればかりはシステム上の問題として仕方のないことみたいだ。


しばらく動作を止めていた薫子が、スッと俺の方へ体を向けた。


そして笑顔をつくる。


その笑顔があまりにも結音そっくりで、俺はドキッとしてしまう。


「記憶がリアルになったことで、表情も豊かになったんだと思うよ」


国匡さんも薫子の変化に気づき、そう言った。
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