ハロー、マイファーストレディ!
「どうやって、復讐するの?」
「簡単だ。俺に協力して、俺を総理大臣にすればいい。それが、あいつには一番堪えるさ。」
「どういうこと?」
「知っての通り、硴野はクリーンなイメージとはほど遠い政治家だ。カネと人脈の力でこれまで何度か総裁選に出馬しているが、結果は毎回惜敗。最近は特に、選挙もイメージ戦略が重要だから、どうしても不利になる。それが、どうやら気に入らないみたいだ。俺も、このところ目の敵にされている。」
「作り物とはいえ、あなた好感度の塊だものね。」
「随分な言われ様だな。あいつが現役のうち、そうだな、あと10年以内には、俺は総裁選に勝ち、国民の圧倒的な支持を得て、この国の総理大臣になる。何だったら、硴野を総裁選に引きずり出して直接負かしてやろうか。」
「それが、本当に復讐になるの?」
「ああ、自分の政治人生の集大成として臨んだ総裁選で、30も年下の、奴からしたら子供同然の若造に負けるんだ。耐え難い屈辱だろうな。」
「そんなに上手くいくの?」
「上手く行かせるんだよ。ただ、それにはそれ相応の準備と努力が要る。手っ取り早く復讐するなら、今から包丁を一本持って乗り込めよ。でも、あんな奴の為に捕まるなんて馬鹿らしいだろう?それに、よほど身に覚えがあるのか、屈強なボディガードを雇ってるから、失敗に終わる可能性が高いぞ。」

復讐のプランを説明した後、俺はもう一度彼女の瞳を見据える。
慌てたように逸らした視線は、彼女の心が揺れていることを物語っている。
もう少しだ。

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