恋愛優遇は穏便に
「早く政宗さんと一緒に生活できる場所を見つけないといけないですね」


「時間の許す限り、物件を探しているんですが、なかなか見つからないですね。まだ諦めてはいませんよ」


「早く、日曜日の夜の寂しい気持ちをなくしたいです」


そういうと、政宗さんは私を抱き寄せる。

あんなに抱きしめあったのに、やっぱり政宗さんに抱きしめてもらえるだけでも気持ちが落ち着く。


「そういってもらえて、僕は幸せです。僕はやっぱりむつみさんのことが好きなんだなって再確認できました」


顔を赤く染めながら、キスをかわす。

おなかが空くまでしばらくベッドで過ごしましょう、と政宗さんが提案したので、私はその指示に従った。

それからはしばらくベッドで過ごし、それから外へでかけて和食屋さんへ向かってご飯を食べて、政宗さんの部屋に戻ってまたベッドの上で時間をすごした。

夜になって、そろそろ帰らなければならないときだった。

しぶしぶ着替えを済ませ、政宗さんは私の住むマンションまで送ってくれた。

政宗さんは私の部屋の玄関に入るなり、ぎゅっと抱きしめた。

いつもより腕の力が強い気がした。


「3日間もあえなくなるのは寂しいです」


「私もです」


「その分、来週の休みはゆっくりすごしましょうね」


「ええ」


腕の力が抜けたな、と思ったら、政宗さんは顔を寄せ、名残惜しいようにキスを重ねた。


「むつみさん、ひとつお願いがあります」


とろけるような目つきをしながら、政宗さんが言った。


「なんですか?」


「僕だと思って、3日間、指輪つけてもらえませんか?」


「ええ、もちろんですよ」


「これで離れていても二人、つながっているって思って安心しました」


週末は会えないけれど、政宗さんの指輪があるから、私も心強いなと感じていた。
< 128 / 258 >

この作品をシェア

pagetop