恋愛優遇は穏便に
お風呂に入ろうと服をぬいだとき、洗面台の鏡に自分の姿を映した。

服に隠れた部分の肌には無数のキスマークがちりばめられていた。

思い出したらなんだか恥ずかしくなって浴室に入って体を洗い、湯船に入った。

たくさん愛し合った証が政宗さんにも同じようについているのかな、と湯船に浸かりながら考えていた。

あんなに私のことを好きでいてくれるなんてありがたいことだ。

元カレの大和はそこまで私を愛してくれなかった。

私には政宗さんはもったいない人だと思っていたのに、私の期待をいい意味で裏切るほど想ってくれている。

もっと政宗さんを知りたい。

もっと政宗さんを愛していきたい。

それなのに、私は。

政宗さんとの愛を大切に貫いていこうとしていたのに。

政義さんに揺れ動く自分がかなしい。

政宗さんが研修から帰ったら話をしよう。

私は政宗さんしかいない。

間違えてキスしてしまったことは反省している。

素直に話せば、きっとわかってくれるはず。

いつも味方でいるといってくれた。

その言葉を信じよう。

考えすぎて長湯になってしまい、のぼせそうなところでお風呂からあがった。
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