恋愛優遇は穏便に
受注発注業務の仕事の波がわかってきて、処理を進めていく。


「森園さん、この入力違うって何度いったらわかるんですかっ」


「ごめんなさい。直します」


調子に乗って間違えてしまって、相変わらず高清水さんに怒られながらも、仕事をこなしていった。

それから政宗さんとは会社では朝会うだけで、私が会社をあとにするときにはまだ営業先から戻ってこなかった。

金曜の朝礼は明日の全体研修についての話をして終わった。

政宗さんはちらりと私をみて営業先に向かっていった。

本当だったら今夜少しでも会いたかったけれど、明日の準備が重なって会えないと昨日メールがあった。

昼休み、高清水さんがお昼を買いに行き、しばらくしたら、事務室の前が騒がしくなった。


「よお、森園さん」


「栗林さん」


高清水さんは栗林さんを連れて事務室に戻ってきた。


「営業先が近くだったからさ」


「お疲れ様です」


「明日の研修はいかないんだってな」


「仕方がないよ」


高清水さんがむすっとしながら、甘えた声で栗林さんに話す。


「研修っていったって半分が遊びみたいなもんなのにねえ」


「会社の一環でいくんだから仕方ないって」


「ちゃんとした研修もあるけど、レクリエーションとかもあってなんかさ、林間学校みたいで面白いんだけどさ」


「そうなんですね」


「もう明日の研修のことはいいでしょ。ごはん食べよう」


そういって、北野さんの椅子を借り、栗林さんは高清水さんの隣に座って一緒に買ってきたコンビニの弁当を食べていた。
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