恋愛優遇は穏便に
「しかし、五十嵐、すごいよな」


のんびりとお弁当を食べていると、すでに食べ終わった栗林さんが話しかけてきた。


「自分より仕事こなしてるんだから」


確かに政宗さんは若いからこそバイタリティーあふれているんだろうか。

仕事もプライベートもそつなくこなして尊敬している。


「普通に営業でて、それで所長も任されてるんだもんなあ。自分にはできないなあ。それに出世しちゃうと麻衣ちゃんと遊んでられないからねえ」


「もう、栗林さんたら」


困った顔をしながらも、高清水さんはうれしそうに笑っている。


「忙しいふりするより、忙しくないふりをしたほうがかっこいいもんな」


少しは疲れた表情をみせることはあるけれど、それでも誰に接しても元気で頑張る姿をみせてくれている。

その姿にみんなうらやましいと思っているはずだ。


「あとはそうだな、弱いふりして実は強かったりするんだもんなあ、あいつ」


そういうと、栗林さんは私に向けて笑った。

高清水さんは何で笑ったかわからず、首を傾げている。

元カレの大和に関して接したときのことをいっているんだろうな、と納得した。


「でも好きなことにはとことんまっすぐになれるんだから」


好きなこと。仕事もそうだけど、私のことも好きでまっすぐに迎えてくれている。

だから私もまっすぐ向いて政宗さんを支えていきたい。


「ちゃんと支えてやれよ」


「はい」


自分はもちろん麻衣ちゃんを支えているけどね、と栗林さんがいうと、高清水さんは照れながら栗林さんの背中を叩いていた。
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