恋愛優遇は穏便に
政義さんから頰にキスされ、自分のマンションの部屋の帰り、体中が熱くなってしまった。

たった頰にキスしたぐらいで照れてしまうなんて。

背筋をのばし、スマートに食事をする政義さんは絵になった。

それに淡い色のランプに照らされた政義さんの顔が素敵だな、と思ってしまった。

たったそれだけのことなのに、どうして政義さんのことを考えてしまうんだろう。

自分をいましめるために右手を見る。

ずっと政義さんに握られていた右手の薬指にはリングがはまっている。

政宗さんがそばにいると思ってしているリングなのに。

早く政宗さんに会いたい。

政宗さんは今頃何しているんだろう。

明日はどうなってしまうんだろう。

キス以上のことをされるんだろうか。

このリングがある限り、そんなことはさせないようにしなくちゃ。

ただの付き合いだけなのだ。

そう心に強く言い聞かせてお風呂に入り、ベッドへもぐる。

目を閉じるとどうしても優しい顔をする政義さんが出てきてしまい、うまく寝付けることができなかった。
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