恋愛優遇は穏便に
悪い夢だ。これは。


「政義さんっ!」


抵抗できず、目隠しされ、後ろ手に縛られる。

政義さんは何も言わず、わたしをお姫様だっこして、隣の部屋へと連れていく。

真っ暗な部屋の真ん中にあるベッドに寝転がされた。

しばらくして、ガチャリとドアを開ける音がした。


「離して! お願いだから」

すると、すぐに着ていた洋服や下着が取り払われる。

私の上に体が覆いかぶさってきた。

荒々しく手が指が唇が舌が私の上を這いまわる。

恐怖とともに沸き起こる不思議な気持ちを抑えきれなかった。


「政義さん、や、やめて!」


黙って私の肌を触っていく。


それなのに、容赦なく突き動かされる。


「い、いやああっ!」


何度も何度も抗おうとしているのに、聞く耳を持たず、ただ行為が続けられていた。

だけど、その間、どこかで嗅いだ香りがした。

まさか、そんなはずはない。

恐怖に怯えて勝手に夢を作り上げているだけだ。

そんな、政義さんに抱かれるなんて。

そんないやらしい夢なんてあるんだろうか。

まだ、体の奥底に熱い芯が突き刺さっているように感じていた。
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