恋愛優遇は穏便に
書類の本棚に手をかけたとき、ふらりと足元をすくわれた。
「むつみチャン、大丈夫」
政義さんが駆け寄ってきてくれて、両肩を支えられた。
「大丈夫です。ちょっとフラっとしただけです」
「今日の2時間分、勤務表に書いていいから休みなよ」
「大丈夫ですから」
「家まで送る」
「仕事、させてください」
「だけど」
「お願いですから、わたしの好きなようにさせてもらえませんか」
「……わかったよ。無理だったら言って」
「ありがとうございます」
各部署から年末前に行われる会議に必要な書類も作ったし、ここの仕事のマニュアル作りもできた。
きっちりと就業時間内に仕事が終わってほっとした。
「終わりました」
「お疲れ様」
政義さんがやさしく労いの言葉をかけてくれた。
「好きにさせていただいて、ありがとうございました」
勤務表を提出し、確認のサインをもらった。
「頼りになれないのかな」
まっすぐ私を見つめる。
私を思う気持ちが十分伝わっていた。
「政義さん」
「むつみチャンにはボクが必要なんだよ」
政義さんは席をたつと、また私の両肩を抱いた。
「ここで私を抱くつもりですか」
「むつみチャン、ボクは君のこと……」
「政宗さんと私は上司と部下の関係に戻りつつあります。政義さんにとって好都合ですよね」
「ずっとそうなると思ってたけど、けどね」
「そうだとしたら、私と政義さんも上司と部下の間柄です。そして上司のお兄さん」
「だからお兄さんっていうのはやめてって」
「弱っている体、抱いてもつまらないですよ。お先に失礼します」
政義さんの抱く力が弱まったところを見計らって力を振り絞るように自分の席へ向かい、コートとカバンを持って出入り口に向かう。
会社を出るとき、ちらりと見ると、政義さんは力なく肩を落としていた。
「むつみチャン、大丈夫」
政義さんが駆け寄ってきてくれて、両肩を支えられた。
「大丈夫です。ちょっとフラっとしただけです」
「今日の2時間分、勤務表に書いていいから休みなよ」
「大丈夫ですから」
「家まで送る」
「仕事、させてください」
「だけど」
「お願いですから、わたしの好きなようにさせてもらえませんか」
「……わかったよ。無理だったら言って」
「ありがとうございます」
各部署から年末前に行われる会議に必要な書類も作ったし、ここの仕事のマニュアル作りもできた。
きっちりと就業時間内に仕事が終わってほっとした。
「終わりました」
「お疲れ様」
政義さんがやさしく労いの言葉をかけてくれた。
「好きにさせていただいて、ありがとうございました」
勤務表を提出し、確認のサインをもらった。
「頼りになれないのかな」
まっすぐ私を見つめる。
私を思う気持ちが十分伝わっていた。
「政義さん」
「むつみチャンにはボクが必要なんだよ」
政義さんは席をたつと、また私の両肩を抱いた。
「ここで私を抱くつもりですか」
「むつみチャン、ボクは君のこと……」
「政宗さんと私は上司と部下の関係に戻りつつあります。政義さんにとって好都合ですよね」
「ずっとそうなると思ってたけど、けどね」
「そうだとしたら、私と政義さんも上司と部下の間柄です。そして上司のお兄さん」
「だからお兄さんっていうのはやめてって」
「弱っている体、抱いてもつまらないですよ。お先に失礼します」
政義さんの抱く力が弱まったところを見計らって力を振り絞るように自分の席へ向かい、コートとカバンを持って出入り口に向かう。
会社を出るとき、ちらりと見ると、政義さんは力なく肩を落としていた。