恋愛優遇は穏便に
その後は仕事のこと以外で女子トークに花が咲き、笑ったり話をして、おいしいご飯とお酒でさみしい気持ちが紛れた。

飲み会の時間が終わると、会計を済ませて、外へ出た。

土曜日の夜ということもあり、飲み帰りの客が道にあふれていた。

お店の壁にもたれかかりながら、北野さんはスマホで何かを打っていたので、浦賀さんに連絡を入れていたのだろうか。

スマホの画面をみながら嬉しそうに微笑んでいた。


「じゃあ、また月曜日ね」


と、北野さんは繁華街の奥の方へ向かって歩いていったので、これから二人で飲みなおすのだろうか。

残された高清水さんと私も家へ向かうことになった。


「森園さん、送りましょうか」


「ここから近いですから」


「一人じゃ危ないですから」


と、しばらく道を歩いていると、コンビニの駐車場にメタリックグレーの車が停まっていた。


「麻衣ちゃん。あ、森園さん」


「森園さんを無事に届けて」


「麻衣ちゃんのいうとおりにするよ」


と、私は栗林さんに礼を述べて、後部座席に座った。

夜遅くということもあり、比較的道がすいていた。

マンション前についたとき、高清水さんが栗林さんに話をした。


「そういえば、五十嵐所長、栗林さんに何か話してたっていってたけど」


「森園さん、聞いてなかったの?」


運転席から栗林さんが顔を向けて聞いてきた。


「ええ」


「事実を検証するとかなんとか言ってたっけ。この時期、五十嵐、立て続けに研修やってたから、その延長で一旦戻ったのかな、と思ったけど。戻ってきたとき、ちょっと様子がおかしかったから、別の理由だったのかもしれないけどな」


事実の検証って一体何をしに一旦研修施設を離れたんだろう。
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