恋愛優遇は穏便に
浦賀さんを見送り、私も帰ろうとすると、森園、と久々に聞く声に振り返った。
駒形さんが立っていた。
以前より白髪が目立つ気がした。
「あいつと知り合いか?」
ちょっと駒形さんの表情が硬い。
「駒形さん、営業の人が入ると聞いたので」
「そっか。ご無沙汰してたな。元気でやってたか」
「え、ええ」
少し疲れているのは気のせいか。
私が駒形さんを心配しているのをよそに、駒形さんは私をじっと見る。
「森園、あんまり元気じゃなさそうだけど」
「そ、そうですかね」
「五十嵐も今一番大切な時期を迎えているからな」
「そうなんですか?」
「何だ。話聞いてなかったのか?」
「え? 何をですか」
「五十嵐は昇進試験を受けるために普段の仕事とは別に研修を入れている」
昇進試験か。知らなかった。
政宗さん、研修だけかと思っていたのに、そこまで話を進めていただなんて。
「誰かのことを想っているからこそ、力が発揮できてるんじゃないかな」
「それは……」
「俺も言えた義理じゃないけど」
駒形さんが軽く笑った。
表情からは伺うことはできないけれど、力なく笑っているということは、まだ北野さんのことを吹っ切れてないのかもしれない。
「むつみさん……」
聞き覚えのある声がロビーに響いた。
駒形さんが立っていた。
以前より白髪が目立つ気がした。
「あいつと知り合いか?」
ちょっと駒形さんの表情が硬い。
「駒形さん、営業の人が入ると聞いたので」
「そっか。ご無沙汰してたな。元気でやってたか」
「え、ええ」
少し疲れているのは気のせいか。
私が駒形さんを心配しているのをよそに、駒形さんは私をじっと見る。
「森園、あんまり元気じゃなさそうだけど」
「そ、そうですかね」
「五十嵐も今一番大切な時期を迎えているからな」
「そうなんですか?」
「何だ。話聞いてなかったのか?」
「え? 何をですか」
「五十嵐は昇進試験を受けるために普段の仕事とは別に研修を入れている」
昇進試験か。知らなかった。
政宗さん、研修だけかと思っていたのに、そこまで話を進めていただなんて。
「誰かのことを想っているからこそ、力が発揮できてるんじゃないかな」
「それは……」
「俺も言えた義理じゃないけど」
駒形さんが軽く笑った。
表情からは伺うことはできないけれど、力なく笑っているということは、まだ北野さんのことを吹っ切れてないのかもしれない。
「むつみさん……」
聞き覚えのある声がロビーに響いた。