恋愛優遇は穏便に
「クリスマス、過ごす予定がないって政宗がいっていたからね。誘ったんだよ」


「兄弟だけじゃ味気ないですから。むつみさんを誘いました」


「好都合だったねえ。ボクは嬉しかったけど」


いやらしく笑いながら政義さんはシャンパンを飲み干した。

空になったグラスに自分で並々と注いでいた。

サラダに手をつけていた政宗さんに声をかけた。


「政宗さん」


「何でしょう」


「これじゃあ、話し合いにならないじゃないですか。食事会が終わってからですか」


「話し合いなら、ここでしたら? ボクはお邪魔かな」


「いてもらっていいんです。それに、関係があるんでしょう。兄さんはむつみさんと関係が」


「ないわけじゃないね」


そういって、政義さんは鼻で笑うと、ぐいっとシャンパンを飲んだ。


「兄さんとどういう関係なんですか、むつみさんは」


「私は……、上司と部下の関係で……」


「そうじゃないよね。それ以上の関係だったって、しっかり告白したらいいのに」


政義さんはテーブルに肘をついて、頬杖をつきながら、私と政宗さんを交互にみていた。


「それ以上の関係というと、もしかして」


「深い関係、だよね。むつみチャン」


「それは……政義さんが勝手に」


「そうやって偽善ぶるのも大概にしたほうがいいよ。正直に話せばいいのに、ボクらの関係を」


「だから、私は」


本当は政宗さんと二人っきりだったときに、政義さんのことをすべて話す予定だったのに。


隣に座る政宗さんはより一層冷たい表情に変化していた。
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