恋愛優遇は穏便に
「むつみさんがいけないんだ。僕を怒らせるから」


「最初のお兄さんとのキスを黙っていたから?」


「当たり前です。兄は話してくれましたよ、すぐに。むつみさんは何も話してくれなかった」


「それは、政宗さんが忙しくて」


「そういいながら、兄と楽しくしてましたね。騙されているとも知らないで」


「そんなことは……」


一瞬、言葉を失った。

政宗さんにとっては私の思いはお見通しだったのだ。


「でも昨夜、むつみさんはちゃんと告白してくれた。もちろん、嫌いっていっても好きにさせるプランもありましたが」


「政宗さんのこと、わからなくなってきたんですからね」


「そう思っていましたよ。でも、答えは僕を選んだ」


「そうですけど……」


「クリスマスに、とてもいいプレゼントをもらった気分です」


そういうと、汗ばんだ頰に政宗さんがくちづけをした。


「ちなみにあのICレコーダーには何も入ってませんよ。僕に抱かれていてそんな恥ずかしい声、録音するわけ、ないでしょう。そんな趣味ありませんし」


「入ってなかった、んですか」


力が一気に抜ける。何度も政義さんから脅しを受けたのは一体なんだったんだ。


「録音しない代わりに証拠にむつみさんにあげた指輪を持ち帰りましたけど」


右手の薬指にはなくしていた政宗さんからもらった指輪がはまっている。


「探したんですよ、指輪」


「ごめんなさい。でもこうするしかなかったんですよ」


そういって、政宗さんは私の体を強く抱きしめた。
< 239 / 258 >

この作品をシェア

pagetop