恋愛優遇は穏便に
気がつけば、裸のまま政宗さんと抱き合いながら眠りについていた。

カーテンの隙間から朝日が差し込み、光の線を床に描いていた。

私が体を起き上がろうとすると、政宗さんも目を覚ました。


「むつみさん、おはようございます」


「おはようございます」


「いい目覚めですよ。本当に。むつみさんが横にいてくれたから」


「政宗さん」


サイドの髪の毛を少し跳ねながらも、やっぱり政宗さんの凛々しい顔を朝から見られるなんて、つい最近までこの幸せがあったことを忘れていた。


「朝から抱きたいのですが、その分、夜に回しますよ」


といって、私の手首を引っ張り、後ろから抱きしめられた。

昨晩の夢のような時間を思い出してしまう。


「さて、このまま裸のままじゃ、また兄にキスされちゃいますから」


「そんなことは」


と振り向きざまに政宗さんから軽くキスをもらった。

さすがにこのままだと恥ずかしいので、床に散らばっていた洋服を取り体に身につけた。

ドアノブに手をかけたとき、開け放たれたドアはきちんとしまっていて、おかしいなあ、と思っていたら、聞かれたくないでしょう、ちゃんと締めておいたんですよ、と政宗さんが後ろからつぶやいてくれた。
< 240 / 258 >

この作品をシェア

pagetop