恋愛優遇は穏便に
ロッカー室で私服に着替え、外へ出ようとしたとき、スマホが鳴る。

政宗さんからメールがきていた。

『まだやり足りないことがあります。少し時間を潰してもらっていいですか。また連絡します』と書いてあった。

この後、何が待っているんだろう。

また政宗さんの策略が残っているのだろうか。

ビルを抜けて近くのコーヒーチェーン店へと向かった。

夕方ということもあり、仕事帰りのサラリーマンやOL、大きな鞄を持っていた旅行客などでごった返している。

カウンター席に座り、小さな紙カップのコーヒーを飲みながら待っていると、スマホが震えた。

画面表示には政宗さんの名前が表示されている。

急いでコーヒーを飲み終え、外へ出た。


「政宗さん」


「お待たせしてすみませんね。二人とも帰りましたよ。残業しに来てください」


「……わかりました」


コーヒーチェーン店をあとにし、先ほど歩いた道を戻り、会社へと向かう。

すでに1階ロビーの照明は少なめに照らされ、薄暗い中、エレベーターに飛び乗った。

暗い廊下を壁伝いに歩きながら、会社のドアを開ける。

廊下にはすでに政宗さんが立って待っていた。
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