恋愛優遇は穏便に
「他の会社で働いてもらうと、見えない敵が増えます。忙しい最中、僕の目の届かない場所で何をされるか、考えただけでも腹が立ちます。キスの件がありましたからね。兄も負い目があったみたいで僕の話に乗ってくれました」


「本当にあのときは、ごめんなさい」


私が頭をさげると、体をなぞることをやめ、軽く頭を撫でてくれた。


「ええ、十分わかっていますよ。くちびるや、カラダで散々むつみさんの気持ちを知りましたから」


あんなに愛されるとは思わなかった。

いたずらにいやらしい目で私をみながら、また両手が上から下へとカラダをなぞっていく。


「派遣の担当からも話がでて、むつみさんの頑張りをみて、最終的に兄の会社で働いてもらっても構わないと思いました。このご時世ですから、もしかしたら契約社員の話が出なくなるかもしれないと予防線を張ったんですが」


私の仕事ぶりを評価してくれているだなんて。

政宗さんがいろいろと仕組んでくれていたなんて。

なのに私は調子に乗ってしまっていた。


「ですが、兄の欲求は抑えられないと察知しましたので」


そういうと、気がつけば、私の敏感な場所へと指が伝っていった。

びくん、と軽くカラダを震わせると、急に息苦しくなってきた。

私の吐息に反応したのか、政宗さんの荒く湿った息が耳元に届く。


「何を想像したんでしょうね。僕の指をこんな風にさせて。こんな体にした覚えはないですね」


「そ、それは」


「どうしたんでしょうね。コントロールがきかないみたいですけど」


「コントロールだなんて、政宗さん、や、やめて」


やめてといったところで、政宗さんはやめてはくれなかった。

さらにあらぬ方向へと指を進ませながら、政宗さんは私の首筋にくちびるを這わせた。


「リセットさせましょうか」


そういうと、政宗さんがさらに敏感なその奥へと進めていった。
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