恋愛優遇は穏便に
昼休みになり、高清水さんは外へ出てくるといって事務所を離れた。

一人になり、いつものように静かな会社の中でお昼をとるつもりだった。

すると、ガチャっと事務所のドアが開いた。


「北野さん」


「お疲れ様」


駆け足でやってきたのか、少し息をきらせていた。


「急ぎの仕事でしょうか?」


「ううん。昼休み」


そういうと、北野さんは荷物を机の上に置き、どかっと椅子に座った。

がさがさとコンビニで買ってきたであろう小さな袋からコーヒーとサンドイッチを出している。

いつもならこの時間は北野さん、外へ出たまんまなのに。

ピンときた。


「もしかしてですけど、私のためにわざわざ事務所へ?」


「うーん。嘘は言えないか。そのとおりだよ」


北野さんは苦笑いをして、チルドカップのコーヒーにストローを差し、飲み始めた。


「……そうですよね」


「一人で事務所にいさせるのはどうかっていう話になってね。それで誰か一人は事務所に残るってことになったの」


「私のせいですよね」


「そうじゃないの。他の営業所も似たような状況があるみたいだから本社の意向」


北野さんは私の顔をみて、安心させようとしたのかニコっと明るい笑顔をくれた。
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