恋愛優遇は穏便に
顔合わせはあくまで顔合わせで結果は即日ではあるが時間を開けて連絡がくる。

郡司さんとともに一階上の派遣会社へ戻り、私は応接室に通された。


「森園さん、向こうのOKがとれましたが」


郡司さんが強めにドアを開け、いそいそと応接室に入ってきた。


「あ、あの。郡司さん、もう少し考えさせてもらってもいいですか?」


私の言葉に郡司さんは眉をひそめた。


「困りますよ。9月はじまりの仕事ですし。この仕事人気で他にも応募された方がいらっしゃるんですよ」


「……そうですよね」


「さすがに一週間はムリなので、一日だけ時間を与えますから。その間に返事をしてくださいね」


初めて郡司さんから溜め息をついているところを見た。

さすがに自分の事情で辞めるっていう理由にもなれないし、とりあえず冷静になって返事をかえすことにした。

いい返事きかせてくださいね、と郡司さんから念をおされ、派遣会社をあとにする。

まさか室長が政宗さんのお兄さんだったとは思わなかった。

背中に重たいものを背負ったような気持ちになりながら、エレベーターに乗り込んだ。
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