恋愛優遇は穏便に
唇を押しあててから、すぐに政宗さんは顔を上げ、首をかしげた。


「おかしいなあ」


「えっ」


政宗さんの瞳がギラリと光ったように思えた。

私の心を見透かすような目にごくりと生唾を飲んだ。


「いつもと何か違う」


「そうですか? 変わらないですけど」


「いつもと違うむつみさんを発見したような気がしたんですけどね」


「きっと疲れてるんですよ。夏休み明けでがんばったから」


「……そうでしょうか。でも、むつみさんがそういうならばそうかもしれませんね」


「まずはご飯食べましょうか」


「そうですね。ご飯を食べて元気を出してから続きをしましょう」


政宗さんは立ちあがり、着替えをとりに隣の部屋へ行った。

さすがに政宗さんのお兄さんに仕事だけど会ったから少しは違う雰囲気を出していたんだろうか。

変な雰囲気を出さないように気をつけなければ。

私は台所に立ち、夕食の準備をした。

しばらくして、Tシャツに短パン姿、そして黒ぶちメガネに変身した政宗さんがやってきて、一緒に夕食をつくった。
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