恋愛優遇は穏便に
「集中してないでしょう、むつみさん」


「あ、ご、ごめんなさい」


「ずっと何か考え事してる感じしますけど」


「疲れちゃったのかな、なんて」


「連日暑い日が続いてましたからね。今夜はやめときますか」


「……政宗さん」


「気持ちと気持ちをぶつけあいながら愛し合いたいんです」


せつない顔を浮かべた政宗さんを見て、私はぎゅっと抱きしめた。

肌と肌を重ね合わせねば味わえないこの暖かさが伝わってくる。

政宗さんの体温を感じるたび、安心感に浸ることができる。

政宗さんの体温でとけてしまったら、どんなに幸せなんだろうか。


「ごめんなさい。政宗さんと愛し合えるのに、私ったら」


政宗さんは私の体をほどき、私の髪の毛を撫でた。


「ちょっと強く言いすぎましたね。でも、指だけでそんな顔するなんて、むつみさんたら」


そういって政宗さんはまた大人の男の匂いを放ちながら私にたたみかける。


「そんなこと、言わないで」


「あ、初めて敬語じゃなくなりましたね。その調子ですよ。じゃあ、ご褒美をあげましょうね」


熱いものが届けられる。

硬くしなった鍵が入れられ、ほどなく、同じ体温になる。


「むつみさん、大好きだ」


「私も。政宗さん」


「むつみさん、一緒に」


加速していくのに必死でついていき、気がつけば二人、体を重ねたまま、身も心もとろけあった。
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