恋愛優遇は穏便に
さんざん何度も指や舌や唇で私の特別な場所を攻めては鳴かされ、二人とも裸のまま夜を越えた。

カーテンのすきまからお日様の光がのぞいている。

目が覚めると、私の体に布団がかけられ、その傍らで政宗さんは上半身を起こし、黒ぶちメガネをかけ、本を読んでいた。


「政宗さん、もう起きてたんですか?」


あ、また敬語だったと思って口をおさえた。


「やっぱり、いつもと何か調子がおかしいですね」


「えっ」


「まだ見えないむつみさんが体の中に棲んでいるんじゃないでしょうかね」


「そんなことは……」


「そういう新たなむつみさんを発見できるから、一緒にいられてうれしいですよ」


「政宗さん……」


こんな誠実でやさしく、時には獣のように私を鳴かせる政宗さんとこうしていられるなんてうれしかった。

また一瞬、あの声が聞こえそうになり、軽く頭を振っているとやっぱり政宗さんは不思議そうに私を見つめていた。
< 52 / 258 >

この作品をシェア

pagetop