恋愛優遇は穏便に
「大丈夫です。自覚してますから」


めずらしく言い返してしまう。

派遣の身でもある。

仕事は仕事だし、政宗さんとはもう付き合っているのだから、仕事の延長線上でなんて、公私混同も甚だしいし。

私の話を聞いて高清水さんは納得する。


「ホントは残念なキモチなんですけどね」


高清水さんはポツリとつぶやくと、電話のベルが鳴り、営業的な声を発して電話に出ていた。

午前は特別急ぎの仕事はなく、随時来るメール対応で午前は終わり、お昼休みになる。

机の書類を片づけていると、高清水さんはいつものように外へ出て行った。

ひとり、給湯室へいき、お弁当を温め、自分の席に戻る。

ごはんを食べ始めたころに高清水さんが小さな袋を携えて帰ってきた。


「おかえりなさい。あれ、栗林さんは?」


「ひとりじゃダメですか」


高清水さんの冷たい発言には慣れているが、いつにも増して冷たく感じる。


「どうかしたんですか?」


「わかります……よね」


ふう、と高清水さんは溜め息をもらし、ストンと自分の席に座った。

ぷくっと珍しく頬をふくらませている。


「ケンカしたんですよ、栗林さんと」
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