恋愛優遇は穏便に
「よろしくお願いします。五十嵐室長」
私の言葉をきいてしっくりこなかったのか、室長は不満そうに頬杖をついていた。
「五十嵐室長だなんて、しょっぱなから肩苦しい言い方ナシにしよう」
「では何とお呼びすればよろしいでしょうか?」
室長は退屈そうに片方の手で銀色のメガネのセルフレームを指でもてあそびながら、私を見ていた。
「この中では政義でいいよ」
「……わかりました。政義さん」
「物わかりいいね。じゃあ、ボクも遠慮なく呼ばせてもらうね。むつみチャン」
政義さんは自分で納得したのか頷いていた。
入口でずっと立ちつくしていたので、政義さんの席の向かいにもう一つ事務机を指差した。
「ああ、ごめん。席はそこね。ボクとむつみチャンしかいない部署だからいいかな、って思ってさ」
「はい」
案内された席に座る。
机の上には中央に新しいノートパソコンが一台置かれていた。
「仕事に必要なものは引き出しの中にあるけど、他に必要なら用意するから言ってね」
「わかりました」
ノートパソコンの電源を入れ、カバンからメモ帳とペンを取りだした。
私の言葉をきいてしっくりこなかったのか、室長は不満そうに頬杖をついていた。
「五十嵐室長だなんて、しょっぱなから肩苦しい言い方ナシにしよう」
「では何とお呼びすればよろしいでしょうか?」
室長は退屈そうに片方の手で銀色のメガネのセルフレームを指でもてあそびながら、私を見ていた。
「この中では政義でいいよ」
「……わかりました。政義さん」
「物わかりいいね。じゃあ、ボクも遠慮なく呼ばせてもらうね。むつみチャン」
政義さんは自分で納得したのか頷いていた。
入口でずっと立ちつくしていたので、政義さんの席の向かいにもう一つ事務机を指差した。
「ああ、ごめん。席はそこね。ボクとむつみチャンしかいない部署だからいいかな、って思ってさ」
「はい」
案内された席に座る。
机の上には中央に新しいノートパソコンが一台置かれていた。
「仕事に必要なものは引き出しの中にあるけど、他に必要なら用意するから言ってね」
「わかりました」
ノートパソコンの電源を入れ、カバンからメモ帳とペンを取りだした。