月星鬼




「急に止めてすみません。お疲れのようですしまた明日。」







そう言って笑って去って行った笑顔にはどこか引っかかるものがあった。











あのマーク…お父さんに報告しなくちゃね。








悩むのはそれからだ。






そして私は家路について裏路地に入って行った。








肩に降りてくる黒い何か。





「ボラン。おかえり。」




‘沙羽。遅い。ただいま。沙季。待ってる。’








「そっか。じゃあ急がなくちゃね。」







私はボソッと「動風」と呟くと、その場からいなくなって居た。









「ただいま。」






着いたのは玄関前。






玄関までキキが来る。





「キキ〜!」





私はキキを抱き上げるとお父さんのとこへ向かった。








書斎に入るとキキとボランは離れる。







「お父さん。ご報告があります。」





「沙羽か…神一族か?」






「いぇ、名前、正体不明の転入生が来るということです。白ラン。長身…そして手の甲に不気味な光。何も読めない男の子でした。」







コトッとボールペンをテーブルに置くと




「ほぅ。それは怪しいな。マークしておけ。それは沙羽に話しかけられたのか?」





お見通しなんだね。






流石だよ。






「はい。」






「そうか。警戒態勢厳重に…以上だ。」





「はい。失礼しました。」











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