月星鬼
いつも通りに教室に入って行く。
教室は転入生の話題で持ちきり。
「超かっこいいんだって!」「超可愛いって聞いたぜ。」「暗い感じなんだってよ。」「お調子者でうるさいって。」
噂は怖い対象的なコトが出回ってる。
話を振られないようにまた屋上へ行った。
ボランと話し終えいよいよHR。
クラスの皆は固唾を飲んで前の扉を見る。
先に先生が入って来ると少しホッとしたような表情を見せ、先生が合図するのと同時に入ってきた長身の白ラン。しかも2人。
似てないって言うか。説明しずらいな。
自己紹介で、
「暁 夕夜(アカツキ ユウヤ)です!
この街には一昨日来たばっかりです!」
「暁 日夜(アカツキ ニチヤ)。
宜しく。」
2人とも黒髪。
飛び交う質問に
「超似てるよね!一卵性?」
「そうだよー!」
「彼女は?」「いないよ。」
「どこらへんに住んでるの?」
「シークレットにしとくね。」
「なんて呼べばいいの?」
「そうだな〜。何でもいいけどーゆっちーとにっちー。」
「兄弟いる?!」
「いないなー僕たち双子ぐらい。」
質問一個一個に答えて行く夕夜。昨日話しかけて来たのは夕夜だろう。
沙季をチラ見すると刻印部を抑えて何か送ってた。
〈あいつか?〉
《うん。》
〈何か…何だろうな。〉
《分かるよその気持ち。》
説明できないんだよね。
私たちのときも一日中質問攻撃
げっそりなって帰った記憶がある。
肘を着いて呑気に見ていた。
いつしか授業が始まり、合間の時間にはまた質問攻撃。その繰り返しで1日は過ぎて居た。