月星鬼
目的の場所に着くと、2人。
「やっぱりあんたたち。」
「何でわざわざ近付いたよ。」
黒い格好の私たちと対照的に白ランを着た2人。
「流石だね。観察力がいいや。」
「邪魔だ。」
私たちが来るのを待ってたかのように優雅に座ってる。
「ねぇ、沙羽ちゃん神一族に生贄で来てよ。」
ボソッと呟いたその子は目が赤く光っていた。
そして制服から覗く手の甲も。
「沙羽を生贄だ?ふざけんなよ。」
「ふざけてないさ。神一族には跡目を産む妾がいない。産んだ後喰べられてくれれば僕たちにはメリットしか生まれない。」
ちょっとって言うか超バカだよね?
計画そんな公に晒す?
「夕夜くん。バカにしないでね敵対してる貴方たちの子を産めと?神一族の血を絶やすコトしか脳がない私たちにそれを?」
キキは私の足元で何かをしている。そしてボランも上空で円を描きながら飛んでいる。
「「捕獲結界」」
呟いた私と沙季は、目の前の夕夜と日夜を囲むようにそびえた結界を作った。
「さて、人間を喰らう貴方達に刑罰を与えます。」
クククッと喉を鳴らす沙季。
「あーぁ…下も上も隙がない。流石魔力師の子ども達だよ。」
「雷鎖」「月よ…このもの達に罰を」
暁たちは月の光を浴び倒れた。そして、そこに沙季が出したしびれ鎖をはめた。
「はぁ…結構使ったな。」
2人を抱きかかえると、
「「動風」」
家に戻った。
地下に連れて行き拘束する。
それから30分。目を覚まさない。
「沙羽月の光やり過ぎたんじゃねえの?」
「そうだったらどーしよ!」
「ったく。生贄なんかにされんなよ。」
「当たり前でしょー!」
その日は暁たちが目を覚ますコトはなかった。