月星鬼
学校には2人とも風邪ということにした。
何故か簡単に通してくれてクラスの子たちも納得していた。
「本当昔から不思議な動物なんだね。」
「月星鬼様を継ぐ人が現れるといいな。」
屋上で寝そべってる沙季の傍に座って話していた。
「もう居るのかもな…能力解放しないだけで。」
「そうなのかな。」
ふんわりする風は生暖かく睡魔を誘うようだった。
月星鬼様は昔、鬼一族でも歴代最強と言われたお方。
月と星の力を借り、人を守り、悪を情なく処罰する。
冷酷かつ優しい鬼様。
「げっ…せい…き…」
私は何かの異臭と共に意識を失った。
遠くから「沙羽!」って沙季が呼ぶ声が聞こえてた。
⋆*✦*⋆✩⋆*✦*⋆✩⃛⋆*✦*⋆✩⋆*✦*⋆✩⃛ೄ
「んっ…」
私が目を覚ましたのは暗い教室。
「お目覚めだね。」
「____誰?」
逆光で黒い影が私の前に立っている。
「夕夜と日夜はどこだ?」
「貴方は何者?」
「答えろ。」
「先に自分の正体ぐらい明かして。」
「俺は中仙 里道(ナカセン サトミチ)2人の世話役とでも言っておこう。」
「そう。神一族は馬鹿なの?それとも私たちを馬鹿にしてるの?」
…沙季は無事?この教室を見る限り中仙と私だけ。
「もう1人は別の教室さ。まぁ脱走してても可笑しくはないけど。」
その時…
ガンッ____ガンッ____
鈍い音が教室に響く。
「お、案外早いな。」
ニコッっと笑い中仙は私を掴み立たせる。